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花粉やハウスダスト(ダニ、ほこり、ペットの毛)などのアレルゲンが鼻の粘膜に付着すると、鼻の粘膜の表面でアレルギー反応が起こり、かゆみ・鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの症状を引き起こします。レーザー治療とは鼻の粘膜にレーザーを照射し、粘膜の表面を変性させ、花粉やハウスダスト(ダニ、ほこり、ペットの毛)などのアレルゲンが付着してもアレルギー反応を起こさせないようにする治療法で症状を軽減する効果があります。
このレーザー治療はアレルギー体質を変える治療ではなく、あくまでも鼻の粘膜でのアレルギー反応を軽減させる対処療法です。レーザー治療には個人差がありますので、鼻水・鼻づまりなどの症状がなくならない場合もありますが、かなり症状も軽く、薬の服用も大幅に減らすことができます。そのため頭がぼーっとなったり、眠気や口の乾きなど薬の副作用も軽減できます。効果は通常1~2年位持続します。また、治療の効果がなくなってきた場合、再度レーザー治療ができます。
レーザー治療は鼻水が出ている時に行うことはできません。花粉症が発症する時期がわかりレーザー治療を希望される方は花粉が飛び始める2ヶ月前が最も有効な時期です。例えばスギ花粉症の場合は、10月から12月が最適な治療の時期です。 ハウスダスト(ダニ、ほこり、ペットの毛)による通年性アレルギー性鼻炎の場合、症状が長く、長期間薬の服用が必要ですので、シーズン中でも治療を行います。
レーザー治療を行うまでの流れをご紹介します。
1. 診察
レーザー治療が可能かどうかを調べるため、鼻腔内の詳細な診察やアレルギーの原因を調べる検査を行います。
レーザー治療が可能であれば予約をお取りします。
2. 鼻の処置・局所麻酔
予約日に来院頂き、お鼻の処置をして鼻腔内をきれいにします。鼻の粘膜に表面麻酔や鼻の腫れをとる血管収縮薬のスプレーをします。その後、麻酔薬を染み込ませたガーゼを鼻腔内にいれ、粘膜に浸透するまで15分ほどお待ち頂きます。
3. レーザー治療
鼻腔内で麻酔が効いた後、診察室でレーザー治療を行います。治療自体は片鼻5分、両鼻でも10分程度で終了します。
4. レーザー治療後の注意事項の説明
レーザー治療終了後に簡単な注意事項の説明を行います。
5. 1週間後の診察
手術後1週間程度で鼻腔内の経過を診察します。鼻腔内のかさぶたを除去したり、色のついた鼻水がつくことがあるので、きれいにします。不快だといって無理に自宅でかさぶたを取らないようにお願いします。この時期になると手術後に一時的にひどくなった鼻水や鼻づまりもかなり解消されていますので、少しずつ鼻をかんでも大丈夫です。
6. さらに1週間後の診察
再度、鼻腔内の経過を診察し、残りのかさぶたを除去します。この時点では鼻の通りもかなり改善されています。鼻腔内の診察が順調であれば治療終了です。
レーザー治療は保険適応があり、花粉症対策・花粉症予防として効果的な治療法の一つです。レーザー治療の効果があらわれるのは治療後2週間~1ヶ月経ってからになります。春のスギ花粉の時期においては10月~12月ぐらいを目安に治療して頂くと、花粉ピーク時に合わせて効果が期待できます。また、レーザー治療は個人差があります。レーザー治療を行い、あまり効果が得られなかった方は1ヶ月間を空けると再度、レーザー治療を行うことができます。
鼻の粘膜を焼くということに抵抗を感じられる方もいらっしゃいますが、花粉症の時期の鼻水・鼻づまり・息苦しさというのは日常生活に支障が出てきます。そこから解放されることを考えると、花粉の時期が来る前に、一度は試されても良いのかもしれません。
また、当院ではレーザー治療はちょっと…思われる方には根治治療の舌下免疫療法をオススメしていますので、花粉症に悩まれているのであれば、一度ご相談ください。
とくまる耳鼻咽喉科 院長
徳丸 裕