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アデノウイルスはライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス等のように風邪症状を引き起こす原因ウイルスの一種です。アデノウイルスは夏のプールなどで広く感染するケースが多いことからプール熱(咽頭結膜熱)とも呼ばれています。しかし、プールで感染する以外にも飛沫感染や接触感染などによって感染する強い感染力があるウイルスです。
アデノウイルス感染症はウイルス性の疾患のため、アデノウイルス単体に効果のある抗ウイルス薬はありません。アデノウイルス感染症の治療に関しては対症療法になります。のどが痛いのであれば消炎鎮痛剤、高熱であれば解熱剤を処方します。また、ご家庭では安静にすることが第一です。
症状が治まったとしても、体内のウイルスが完全にいなくなったわけではありません。アデノウイルスは症状が治まった後も2週間~1ヶ月程度、体からウイルスを排出し続けるため2次感染には注意が必要です。
アデノウイルス感染症は学校保健安全法により学校感染症に指定され出席停止期間が定められています。咽頭結膜熱(プール熱)は学校感染症の第二種に定められ、のどの痛みや高熱などの主要な症状が消えたあと二日間は出席停止になります。
とくまる耳鼻咽喉科 院長
徳丸 裕