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嗅覚障害とは、匂いを感じ、その匂いがどのような匂いなのかを正しく感じられなくなっている状態です。匂いを意識して嗅いでいる方はほとんどいませんので、周りの方が強い臭いに気になっているのに、本人は匂いを感じないといったように気づくことがあります。
嗅覚障害は大きく分けて2つの原因があります。
また、1.2.が同時に起こっている場合もあります。
嗅覚検査とは、嗅覚が正常であるかどうかを診断するために行う検査です。アリナミン注射液を静脈に注射し、注射開始からニンニク臭を感じ始めるまでの時間と感じなくなるまでの時間を計測します。
副鼻腔の形や膿(うみ)が溜まり副鼻腔炎になっていないかどうかを調べます。慢性副鼻腔炎になると呼吸が上手くできず、嗅いの元が嗅上皮に届かないため臭いを感じなくなります。
鼻の奥をファイバー(内視鏡)を使用し診断を行います。ポリープ(鼻茸)や鼻中隔湾曲症などがないかを確認します。
嗅覚障害の治療は、まずは検査などによって診断された原因疾患の治療を行います。慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因の場合は抗生物質や抗アレルギー剤による内服薬の薬物療法やステロイドの点鼻薬を使用した治療を行います。そして、嗅覚障害に対してはステロイド剤の点鼻やビタミン剤や血流改善薬、漢方薬を使用した治療を行います。
症状が発症してから数か月以上経過すると治療が困難になる場合がありますので、少しでも気になるようであれば、耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。
とくまる耳鼻咽喉科 院長
徳丸 裕